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美術録005:《モネ 連作の情景展》@上野の森美術館

展示会名:モネ 連作の情景展
場所:上野の森美術館
注目画家:モネ
展示会公式サイト:https://www.monet2023.jp/
美術館公式ページ:https://www.ueno-mori.org/exhibitions/article.cgi?id=1155263

Sabollon

モネの生涯に迫った眼福な展示会でした。
刻々として変化する光の表現にはうっとりとしますが、本展覧会では歳を重ねて変化するモネの視線にも注目です。
モネの描く風景画は、移ろう時間や人の心の有様までも反映した『人が本当に見ている景色』だと感じます。

展示会全体の感想

モネの連作を通じて、画家の生涯に迫った展示会です。
印象派以前の作品を観る機会が少なかったので、サロン出品時代の作品から印象派初期〜後期につれて変化するモネの筆遣い、視線がとても面白かったです。この視線の変化については別の記事にまとめたいと思います。

印象派初期の作品やロンドンで描いたウォータールー橋の連作も素敵ですが、やはり、移ろう光の表現が完成した「睡蓮の池」が至高でした…。モネの描く作品は光の当たり具合で印象が全く異なるので、美術館で観られてよかったです。

特に気に入った3作品

1903年 油彩、カンヴァス 73.4×100.3cm

リヨン美術館 © Lyon MBA, Photo Alain Basset, B 1725

《チャリング・クロス橋、テムズ川》

モネは太陽が昇り、霧がかかったこの時間のチャリング・クロス橋を好んで描き、本テーマだけで30展以上の作品があるようです。

霧がもたらす色彩の融合と曖昧な空気感、太陽光の反射によって七色に揺らめく水面…。異なる色をパレットで混ぜずに、荒いタッチで重ねていくことで、光本来の鮮やかさを表現する「視覚混合」を活用しています。

立ち止まって目を瞑り、脳裏で混ざって揺れる光を楽しむのがおすすめの作品です。

1918年頃 油彩、カンヴァス 131.0×197.0cm

ハッソ・プラットナー・コレクション © Hasso Plattner Collection

《睡蓮の池》

今まで観た連作《睡蓮》の中で一番素敵な作品でした…。

空や周りの木々、柳が映り込んだ睡蓮の池。

近づくと筆の流れが分かるほどに荒いのですが、少し離れると脳の中で絵の具が混ざり、あっという間に晴れた空の下、色づいた木々と揺れる柳に囲まれた睡蓮の池にひきづり込まれてしまいます。

1867年頃 油彩、カンヴァス 65.1×92.6cm デン・ハーグ美術館
© Kunstmuseum Den Haag – bequest Mr. and Mrs. G.L.F. Philips-van der Willigen, 1942

《ルーヴル河岸》

印象派以前のサロン出品作品です。(たぶん)

この作品からは流石に睡蓮を描くモネの雰囲気は感じないですね。人物や遠景の建物を緻密に描いています。

実際にルーブル美術館に行って、モネの描いた景色との違いを楽しみたい、そう思った作品でした。

まとめ

モネの素敵な作品をたくさん見られました。
私は写真が好きではありませんが、それは時間や心情を写さない偽の景色だと感じるからです。
移ろう時間や人の心の有様までも反映した『人が本当に見ている景色』を描くモネの作品を、今見てる景色をどう感じるか、感じようとするかの参考にしたいと思っています。

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この記事を書いた人

芸術と技術が好きなサボテンです。
自分を構成する知識や体験を少しずつ書き留めたい。

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